紺碧の地図


最後の疑問の答えは、既に分かりつつある。


その答えを確かめるように、俺は口を開いた。


「…ララと、知り合いだったんだな」


サンは海を見つめたまま、小さな笑い声を零した。


「ララって、あの人魚だとか言ってた子だろ?…知らないな」


「…とぼけなくていい。最初から、サンはララを見てた」


その言葉に、サンがゆっくりと俺を見た。


ジークに連れられて、サンの海賊船に近づいた、あの時。


驚いたサンの視線は、真っ直ぐにララに向けられていた。


…ララの隣にいた、俺ではなく。


「…すぐに、分かったんだろ?」


暫く俺を見ていたサンは、お手上げだと言うように肩を竦めた。


「お前には何を言っても誤魔化せないみたいだな?ゼン」


そう言って笑ったサンの表情は、昔を思い出させて。


…その懐かしさに、胸が痛んだ。