紺碧の地図


困ったようなジークの姿を捉えると、私は拳をぎゅっと握る。


…ゼンが、せっかく護ろうとしてくれたんだもん。


勇気を出して、真実を伝えなきゃ。


「…ジーク」


「ララ…どうした?何があったんだ?」


「実は…」


一瞬躊躇ったあと、私は過去の出来事を口にした。


二回目に口にした真実は、前よりも私の心を痛めなかった。


代わりに、私の話を聞いて悲しげな表情をする、みんなの姿に心を痛めた。


「…そっか。そんなことが…」


額を覆ってため息をつくジークに、私は何も言えなかった。


よく私たちと遊んでいたジークにとっても、この報せは苦しいと思う。


しばらく俯いていたジークが、不意に顔を上げて私を見た。


「…悔しいし、悲しい。けど…ララは生きてた。それが唯一の救いだよ」


優しく微笑んだあと、ジークは私の頭を撫でた。


「よく頑張ったな」


その言葉に、すぐに涙腺が弛む。