俺の突然の言葉に、レキは目を丸くした。


…そうだ。

俺は、生きなくちゃならない。


父さんが残した、この船で。



強く、強く。

何もかもを護れるくらい、強く。


そのために、信頼出来る仲間を集めて。



そして俺は―――サンを、見つけ出すんだ。



「…レキ。俺についてきてくれ」


相変わらず、レキは目を見開いたまま俺を見ている。


けどすぐに、その瞳は愉しそうに笑った。


「何を言うかと思えば。唯一無二の大親友の俺が、ヤダって言うわけないじゃん!」


「…え、何の話」


「うわ、ゼンひでぇ!!」


俺にはまだ、笑い合える仲間がいる。


一人じゃない。


それはきっとこの先、俺に勇気をくれるんだ。


「…ありがとう、サン」


…俺に絶望と、勇気を与えてくれて。



俺はこの日、新たな一歩を踏み出した―――…