ほんの数分前。


レキが仲間になって、二年が過ぎた頃だった。


次の目的地へ向けて航海を続けていた俺たちに、他の海賊船が接触してきた。


海賊旗には、燃えるように真っ赤な太陽。


…"ラー"だった。


何事かと身構える俺たちに、敵船の船長は言った。



"―――この船に、天空人がいるんだろ?"



そこから先は、よく覚えていない。


ただ、どこからともなく剣が交じり合う音が広がっていって。


船上は、見るも無惨な光景へと変わっていた。


「―――くそっ!! 何で開かねぇんだよっ!!」


ダン、というレキが扉を叩く音で、俺は我に返った。


俺たち二人は、戦いが始まると同時に、父さんに倉庫に閉じ込められていた。


お前たちは隠れているんだ。そう言い残して、父さんは戦場へと消えた。


「…結局、最後まで子供扱いか…」


「何ぶつぶつ言ってんだゼン!! お前も手伝えよっ!!」