「ええ。…一人で大丈夫?」
「うん、大丈夫」
笑顔でそう答えたあとすぐに、扉が開く。
「さみーっ、夜風に当たりすぎ…ん?」
レキが体を震わせながら部屋に入ると、私たちに気づいた。
「何?どした?」
「…あ、ちょっと気分悪くて」
私がそう答えると、レキもニーナと同じように眉をひそめた。
「俺があっためてあげよっか?」
「真顔で気持ち悪いこと言うなバカ」
ニーナの拳を顔面に喰らい、呻くレキ。
何か、可哀想になってきた…。
「同情しちゃだめよ、ララ。さ、今のうちに!」
ニーナに背中を押され、私は苦笑したあと、扉を閉めた。
ひんやりとした夜風が、肌を突き刺す。
私は小さく体を震わせてから、寒さを和らげようと歩き出した。
そのとき。
月明かりに照らされて、私の足元に影が落ちた。


