「…私にも、描けるかな」
ぽつりとそう呟くと、ニーナはすぐに答えをくれた。
「当たり前じゃない!ララなら、素敵な地図を描けるわよ」
「…根拠もないのに?」
「あるわよ!女の勘!」
そう言って胸を張るニーナが可笑しくて、私は思わず笑った。
「…ちょっと、笑うとこじゃないわよ」
「あはは、ごめんね。で、行き着いた先で何するの?」
ニーナの視線が、いつもレキに向けられるものに変わった気がした私は、慌てて先を促した。
ニーナは地図を棚に戻すと、再び席に着いてから口を開いた。
「届ける物資があったら、それを先に届けるわ。それから一日中そこを回るの」
「悪者探し?」
私が目を輝かせてそう訊くと、ニーナは突然噴き出した。
「ちょっ、ニーナ!」
「あはは!ララ、あたしたちは正義の味方じゃないわよ」


