「…それぞれの神に共通する点が、その能力にある」


「…能力?」


ゼンの言葉に顔を上げた私は、思わず訊き返した。


「そう。…自然を操る、能力だ」


―――自然を。


その言葉に、私の胸がざわついた。


「…心当たりが、あるだろ?」


ゼンはやっぱり、何もかもお見通しみたいで。


その瞳を見たら、私は苦笑するしかなかった。



変だな、とは思ったの。


私の心に答えるかのように、変化する天候。


それにまさか…こんな理由があったなんて。


「でも…まだ私がその人魚の神の子?っていう確証はないよ」


遠慮がちにそう言った私に対して、ゼンは「いや、」と言って続けた。


「…あんたがアルフィザで倒れて、アルザがあんたを着替えさせようとした時…見たらしい」


私が体調崩して倒れてたあのとき、アルザが…見た?


「あんたの…背中の痣を」


その言葉に、心臓がどくんと音を立てる。