その瞬間、俺の中の何かが弾けた。


「―――!」


痛みが残る体を起き上がらせると、まだ近くにいた敵が驚きの声を上げる。


「な!? お前まだ生き…っ」


最後まで言い終わらないうちに、俺は相手を斬り伏せていた。


驚愕の表情のまま崩れ落ちる敵に、俺は口を開いた。


「…教えてくれて、ありがとう」


そう言うとすぐに、ふらふらと歩いているララのもとへ駆け寄った。


「…大丈夫なの、あんた」


ララの両肩を掴んで訊ねてみても、返事がない。


不審に思って眉をひそめると、近くにいたニーナが言った。


「…ゼンッ…、リジェが…」


その声と表情から、リジェの身に起こった出来事が、嫌でも容易に想像できた。


仲間との、別れ。


…何度遭遇しても、慣れることなんかない。


「…リジェの血か…」


ララの姿を見下ろして、そう呟く。


その虚ろな瞳からは、まだ涙が流れていた。