「…俺も、当たり前。一度…救われた命を…ララさんのために、失うなら…怖くない」
「やめてっ…」
そんなこと言わないでよ、リジェ。
徐々に遅くなる呼吸と、止まらない出血。
苦しいはずなのに、少しも苦しさを見せないリジェに…私は一粒、涙を零した。
「…泣か、ないで…ララさん」
リジェの腕がゆっくり伸びてきて、指先がそっと私の目元を拭った。
そのとき、大きな足音が響き、誰かが叫んだ。
「救急箱っ、持ってきたぞ!」
その言葉が合図になったかのように…リジェの腕が、力を失った。
「リ、ジェ…?」
返事は、ない。
笑顔はいつの間にか消え、瞼は落ちていた。
「…リジェ、ねぇ…嘘だよね…?」
リジェの体を揺すっても、返事はなくて。
「リジェってば…!」
「…ララ」
その声に私が顔を上げると、ニーナは唇を噛みしめたまま首を横に振った。


