紺碧の地図


喜んだのも束の間、リジェが咳をすると、口から血が滴った。


「…ララさん…無事、で…?」


「やめて、リジェ…しゃべらなくていいよ…!」


それでも構わずに、リジェは口を開いた。


「…よかった…」


この場に似合わない、笑顔を浮かべて。



―――よかった?


全然よくないよ、リジェ。


「私なんか…庇わなくてよかったのに…!」


私を庇ったせいで、リジェが傷ついた。


…なのにリジェは、笑顔を崩さない。


「…俺は…一度、ララさんに…救われたから」


「え…?」


「…ティナで、イズラが…船に乗り込んだときに」


私たちの存在を隠そうとしたリジェは、あのときイズラに殺されかけた。


それを阻止するために、私は自らを差し出した。


けど…


「あれはっ…当たり前だよ!」


涙目でそう言う私を見て、リジェは優しく瞳を細めた。