…誰かが傷つくのが、怖い。
でも、誰かを護れる力が、私にはない。
自分の身は自分で護るって、ゼンに誓った。
けど…欲張りな私は、みんなも護りたいんだよ。
「うっ」
「ぐあっ…」
途切れることのない悲鳴が、恐怖心を煽る。
「…ララ、大丈夫?もっと奥に…」
ニーナがそう声をかけてくれたとき、キッチンにまで数人の敵が入り込んできた。
ほとんどが甲板に出ていた為、キッチンには私を含め、五人しか残っていない。
すぐさま、ニーナが立ち上がった。
けど、ニーナは剣も何も持っていない。
「ニーナ…、剣…」
「大丈夫。あたしの武器は素手だから」
そう言うとすぐに、ニーナは敵に近づく。
敵が振り下ろす刃を避けると、ニーナの拳が相手の鳩尾に深く入った。
「……っ」
相手は膝を折り、床に倒れた。
ニーナはすぐに次の相手と、武器も持たずに戦い始める。


