紺碧の地図


ハラハラと二人を見守っていると、急に話をふられた私は、短く声を上げた。


…ニーナから、すっごい気迫が伝わってくる。


その気迫に呑まれた私は、無言で頷く。


「え―――!? ララちゃんひでーっ!!」


「ほら見なさいっ!あんたは女の子にとって害虫よ、害虫!」


が、害虫…。


「ふざけんなニーナ!ララちゃんがひきつった笑顔になっただろ!?」


「あたしは本当のことを言ったまでよ。ララ、部屋で話しましょ」


ニーナに手招きされ、私はレキをちらりと見る。


その視線に気づいたレキは、頭を押さえながら苦笑した。


「いーよ、気ぃ遣わなくて!寒いから部屋行きな」


「…レキは?」


「…ララちゃんは優しいな、誰かさんと違って」


レキが声を大きくしてそう言うと、ニーナの鋭い視線が飛ぶ。


「けど俺、海眺めてから戻るわ」