紺碧の地図


頭をぽん、と優しく撫でられ、私は思わず微笑んだ。


「お兄ちゃんがいたら、こんな感じかなぁ」


「え?俺、兄?じゃあ、妹に愛の抱擁を…」


私に一歩近づいたレキの頭に、何かが直撃した。


足元に転がるのは…ネジ回し?


「―――っ!!」


頭を抱え、痛みからかその場にしゃがみこむレキに、遠くから声がかかる。


「ちょっと変態。あたしのララに何しようとしてんのよ」


さっきまではしていなかった赤いフレームのメガネをかけ、扉の奥から姿を現したのはニーナ。


両手を腰にあて、眉間にしわを寄せてレキを睨んでいる。



レキは涙目でふらりと立ち上がると、ニーナを睨み返した。


「相変わらず痛ぇなこのやろー!つーかいつからララちゃんはお前のものになったんだ!!」


「あーら、石頭にはそれくらいの固さががちょうどいいのよ。ねぇ、ララ?」


「えっ」