…思えば、いつも。


私の周りでは、何かとよくないことが起こった。



「ぐぁっ…」



そう、まさに今も。


「―――アラン!!」


アルザの金切り声が、木霊する。


アランは苦痛に顔を歪めたまま、その場に崩れ落ちた。



―――何が、起こったんだろう。



たった数分前、私たちは他愛ない会話をしていた。


突然、アジトの外が騒がしくなり、私たちはアルザの捜索に来た兵士たちかと思った。



アランが様子を見てくる、と言って扉に近づいた瞬間。


扉が吹き飛んだかと思うと、大勢の人が雪崩れ込み、そのうち一人の刃がアランの体を貫いた。


「―――っ、」


シーザがすぐに、腰の剣に手をかけた。


その表情は固く、唇はぎゅっと結ばれている。



ほんの一瞬の出来事。


でも、わかったことがある。