「…参りました。確かに、アルザ様の行方に心当たりはあります」


「…なら、早く行こう」


「はい。けれど、ゼン様だけで行って下さい」


「は…?」


ロイの瞳を見れば、冗談なんかで言っているわけじゃないとわかった。


けど、俺にはその理由がわからない。


「…お願いします」


眉をひそめる俺に、ロイは頭を下げた。


「アルザ様は、ゼン様に助けてもらうことを望んでいます」


「…何で…」


「俺はもう…必要ないからです」


下がったままのロイの頭を、俺は黙ってみていた。


すぐに俺はため息をつくと、ロイの腕を掴む。


「えっ?」


驚きの声をあげるロイを無視して、そのまま連れて廊下を進む。


「ゼ、ゼン様?俺は…」


「あんたがいないと、場所がわからないだろ」


俺の言葉に、ロイはぐっと喉を詰まらせた。