俺の後ろから部屋を覗いたロイは、息を飲んだ。


「そんな…ララ様まで…!?」


…思えばいつも、面倒事の中心にはララがいた。


今回も、運悪く巻き込まれたんだろう。


「…捜そう」


俺は短くそう言うと、ロイに向き直った。


すると、ロイの瞳に困惑が映った。


「この国は…そんな簡単に捜せる広さではありません。見当もないのに…」


「あるんだろ」


俺は即答すると、ロイを見据えた。


そのロイの表情を見れば、答えは明らかだったが、俺はもう一度訊いた。


「…あるんだろ?見当がつく場所が」


「…!ど、どうして…」


「この王宮も、そんなに狭いわけじゃない。すぐにアルザに何かあったという痕跡を見つけたのは、その場所に心当たりがあったからだ」


…となると、何にアルザが巻き込まれたのかも、見当がついているはず。


ロイは暫く何かと葛藤しているように黙っていたが、やがて口を開いた。