「遅くても明日の朝には、わたしが部屋にいないことがわかる。ついでに貴様もな」
「………」
「となると、だ。おそらく捜索が行われるだろう」
そうだよね。
一国の王女様が、行方不明なんだもん。
…私もいなくなってるって知ったら、ゼンは捜しに来てくれるのかな。
「わたしは、ゼンに護衛を頼んだ。ゼンはきっとわたしを捜してくれる」
アルザの言葉に、何故かズキンと心が痛んだ。
私の命より、アルザの命の方が大切だから。
…だから、アルザの捜索をするのは当たり前のこと。
なのに、そんな当たり前のことが苦しい。
私…どうしちゃったんだろう?
「ゼンは、私が見込んだ男だ。おそらく、実力はロイより上だろう」
私なんか気にも止める様子もなく、アルザは淡々と続けた。
…ロイよりもゼンの方が、実力が上?
それなら…


