「あ、しまった」


がんっ!という音と物凄い衝撃と共に、私は目を覚ました。


「―――っ、…?」


あまりの痛みに顔をしかめたあと、周囲の状況が目に入った。


ここは…どこ?


王宮にいたはずが、いつの間にか倉庫みたいな場所にいる。


「おーい。生きてるかー?」


目の前でぶんぶんと手を振られ、私は驚いてその人物を見た。


その瞬間、曖昧だった記憶が蘇った。


「あ…アルザを殺そうとしてた!!」


「は!?」


「だからそれ勘違いだって…」


別の方向からも声が聞こえ、アルザと一緒にいた二人が並ぶ。


よく見ると、兄弟みたいだった。



一人は焦げ茶の短髪で、小さな赤いピアスをつけている。


もう一人は焦げ茶の髪を少し長めに伸ばしていて、前髪を上げていた。


どっちも共通しているのは、髪の色とがっちりとしたその体型。


それだけで、兄弟だってことが十分わかる。



じろじろと眺めていた私に、短髪の方が口を開いた。