…え?


「…そんじゃ、ちょっくら我慢してくださいよ」


ちょっと、待って。


「すぐ終わりますんで」


ちょっと…



「待ちなさ―――いっ!!」



今、まさしくアルザに向かって降り下ろされようとしていた刃が、ピタリと止まった。


その場にいた三人分の視線が、一斉に私に向けられる。


「…っ、!? 貴様っ…」


驚きの表情を浮かべるアルザ。


そこには、どこか困惑の色も混じっている気がした。


けど私には、そんなところまで気にしてる余裕はない。


「アルザ…ッ、死のうなんて、バカなこと考えるのはやめてっ!」


「…は?」


「王女サマ、あの子誰っすか?」


「何か勘違いしてますケド」


…へ?勘違い?


私は眉をひそめて、男二人、剣、アルザへと視線を移す。


アルザがこの人たちに、自分殺してって頼んだんじゃ…?



はぁ、とため息をついたアルザは、一言。


「黙らせろ」


次の瞬間、私の目の前は真っ暗になった―――…