「ってー!! 何すんだっ、ニーナ!」


「うるっさいわね!今この状況で女の子引っ掛けんのやめなさいよレキ!」


レキと…ニーナ。


あ、この人たち、さっきの人たちだ。


「ごめんね、こいつ馬鹿で。あたしはニーナ」


差し出された手のひらを、私はきゅっと握った。


「私は、ララ」


「ララ、ね。よろしくね!」


そう言ってウインクするニーナの艶やかな黒髪が、優しく揺れた。


「俺、レキ!よろしくララちゃん♪」


私とニーナの間に、ずいっと割り込んできたレキ。


ニーナはそんなレキの頭を掴み、ゼンに押し付けた。


「ゼン、この馬鹿どーにかしてっ」


「…無理」


「いーててて!髪!髪痛ぇっ!」


賑やかなそのやりとりを、周りの仲間たちが笑って見ていた。


その光景を見て、私も笑う。