「…め、迷惑じゃない!?」


「迷惑」


………え。


「じゃ…邪魔じゃない?」


「邪魔」


…えーと。


「そんなことない」って答えを期待してたのに、ことごとく邪険にされてるような。



もしかして、からかわれてる?


そんな考えが頭をよぎったとき、ゼンがふっと笑った。


「…月に誓っただろ」


その表情が、あまりにも綺麗で。


…男の子に綺麗なんて、失礼かもしれないけど。


月の女神…"ルナ"。


その名称は、ゼンにぴったりだなって思った。


「あんたは、自分自身の意思を、この月に誓った」


「…うん」


「…約束だ。破るなよ」


その優しい瞳が、私を捉える。


―――約束。

月に誓った、二度目の約束…



「…うん!」



満面の笑みを浮かべ、私はゼンの後を追った。