カン、カンと木槌を打ち鳴らす陽気な音が聞こえる。


私たち"ルナ"と、イズラ率いる"ラー"が協力して、闇市場の会場を直していた。



…ううん。


もう闇市場なんて呼ばせないって、イズラが言ってた。


ここは、行き場をなくした人たちが集まって、幸せに暮らせる場所にするんだって。



それは、一度闇を見てしまったイズラだから、考えられたこと。


その考えには、私たちも大賛成だった。



「いってぇ!指!指打ったっ!!」


「あーら、木槌は打つものを間違えなかったみたいね」


「………」


レキが大声を上げ、ニーナが皮肉を言い、ゼンが呆れ顔でため息をつく。


これがいつもの日常。


私の…大切な場所。


「なーにニヤニヤしてんだ?」


頭にタオルを巻いて、額の汗を腕で拭いながら、イズラがやって来た。


私は近くに汲んであった水を、口を尖らせながらイズラに渡した、