ゼンの茶色の瞳が、優しく細められた。


「…あんた、すぐ泣くね」


そう言われてから、私は頬を伝う涙に気づいた。


慌てて拭っても、溢れ出る涙は止まらない。


「…っ、ゼンッ…」


だってね、嬉しかったの。


あの日、光を見つけてからも、ずっと不安だった。


私がここにいる意味が、わからなくて。



でも、今ね。


"ここにいてもいいよ"


って、言われた気がしたんだ。



私がいることで、みんなに光を与えることができるなら。


私の生きる意味は、そこにある。


「ありがとう…ゼン」


「…だから、それは俺の台詞だって」


苦笑するゼンを見て、私も笑った。


気づけば、さっきまでの戦いが嘘だったかのように、みんな笑い合っていた。



私は、空を見上げた。


瞳に映る…満月。





ゼンは、私に光をくれるんだよ―――…