頭上から降ってきたのは、案の定ため息。
やっぱりなぁ、と小さく笑みを零しながら、次の言葉を待つ。
「…ありがとう」
―――えっ?
予想外な言葉に、私は思わず顔を上げた。
「…ゼン?私、お礼言われるようなこと…」
そこまで言ったところで、パンパン、と手を叩く音が響いた。
みんなが一斉に振り返ると、そこには…闇市場の司会者が立っていた。
「これはどういうつもりだね?君たち。闇市場を台無しにして…イズラくん」
名前を呼ばれたイズラは、眉間に皺を寄せたまま前に出る。
「何だ?」
「何だ、じゃないだろう!こういう事態を防ぐのが、君たちに与えた仕事だ!」
司会者は顔を真っ赤にして、声を荒げた。
イズラは頭を掻くと、不意に私を見た。
そして、にやりと笑う。
「…そうだと思ってたさ。俺たちが正しいってな」
「!? 何を言って…」


