涙ぐむリジェを見て、私は慌てた。
「そっ、そんな気にしなくていいから!みんな無事だったし!ね?」
「…リジェは、自分の心配をしておいた方がいい」
ゼンの言葉に、リジェは「へ?」と間の抜けた返事を返す。
「ニーナは全員を叱りつけるつもりだ」
見ると、レキが解放された代わりに、他の仲間が三人いっぺんに捕まっていた。
その光景を見て、リジェからサーッと血の気が引く。
「ララさん、本当にありがとう!」
リジェはそう言うと、ニーナに見つからないようにと移動した。
私は、そんなリジェの姿を笑って見送ったあと、ゼンに向き直る。
「ゼン」
「…何」
ゼンのことだから、私が言いたいことわかってそうだけど。
それでも、言葉にしなきゃ気がすまない。
「ごめんなさい」
まずはそれだけ言うと、私は頭を下げて続けた。
「私の勝手な行動が、みんなの予定を狂わせちゃって」


