「お前らもやめろ!」
私の横で、イズラも大声を出す。
みんなの瞳に、迷いが生まれた。
「こんなことして、何になるの?みんなが傷つくのは、私が嫌なの!」
「…ララちゃん」
名前を呼ばれ、振り返った。
そこには、額から血を流すレキの姿。
そのレキを、ゼンが腕を肩に回して支えていた。
「ララちゃん…俺…ごめん」
へらっと笑うレキの表情が、どこか見てると苦しくて、私は首を振った。
「わかってくれればいいの。…無事でよかった」
私の言葉をわかってくれたのか、みんなが次々に剣を握る手を離した。
「重傷者いねぇか見てくるわ」
私の頭をポンと叩くと、イズラはケガ人の確認をし始めた。
私は地面に座り込んだまま、大きくため息をつく。
―――よかった。
「…大丈夫?」
頭上から降ってきた声に顔を上げ、その人物を見ると、私は微笑んだ。


