…どうにかして、この無駄な戦いを、止める方法はないの?
こうしてる間にも、誰かが傷つき、流さなくてもいい血を流してる―――…
「………っ」
どうしようもできない怒りが込み上げてきて、私は大きく息を吸った。
そして。
「もうやめて―――――っ!!!」
ありったけの大声で、そう叫んだ。
―――その瞬間。
ピシャァァアン!!
けたたましい音を響かせ、雷が落ちた。
その雷は、闇市場を覆っていたドームを壊し、誰もいない中央に落下した。
雷が開けた大きな穴から、夜空に浮かぶ満月が、この様子を伺っている。
大きな雷が突然落ちたことで、その場にいた誰もが言葉を失い、動きを止めた。
すぐに私は我に返り、チャンスとばかりに声を張り上げる。
「みんなやめて!お願いだから、私たちは大丈夫だからっ!!」
大勢の視線が、私に注がれる。


