私の言葉を次ぐように、ゼンはウィッグをはずしてそう答えた。
イズラは口をあんぐりと開け、絶句状態。
「…あんたが、この闇市場を買い取るってのもありだけど」
「あら、それいいわね!」
「なっ、ちょっ、ちょっと待てっ!!」
ゼンが何となく口にした言葉に、ニーナは賛成し、イズラは反対した。
「お前らいきなり何だよ!これから売られんだぞ!? 呑気に俺に意見してる場合かよっ!」
「喚かないでよ鬱陶しい!あたしたちは、売られる気なんかないわよ」
ガタッと音を立てて立ち上がったイズラに、ニーナがピシャリと言い放った。
「もう、いっそ壊しちゃいなさいよ。こんな場所」
「むちゃくちゃ言うな」
乱暴に頭を掻くイズラと、目が合った。
私は鼻を啜ってから、口を開く。
「…私たちが言いたいことわかる?イズラ」
「わっかんねぇよ」
イズラはため息をついてから、顔を背けた。


