紺碧の地図


「私が、イズラの光になるよ」


「…何言ってんだ」


光を失う怖さを知ってる。


…でも、光を見つける喜びも知ってるの。



誰かが手を差し伸べれば、闇に堕ちてしまいそうな人を救える。


私が光に救われたように、今度は私が…誰かの光になりたい。


「バカじゃないの、って思うかもしれない。でも私は、イズラに光をあきらめてほしくないの」


真っ直ぐに、イズラを見てそう言った。


は、と小さく笑うと、イズラは天を仰いだ。


「本当にバカだよ、お前。俺には光なんてねぇ。"ラー"になったら、闇に堕ちるしかねぇんだよ」


「それが諦めてるっつってんのよ!」


急にニーナが声を張り上げ、私は驚いた。


ニーナは泣きはらした真っ赤な目で、イズラを睨みつける。


「光がない?見つけようとしてないだけでしょ!やる前に諦めんじゃないわよっ!!」


大声で怒鳴るニーナを、イズラは呆然と見つめた。