私は、冷たくなったイズラの瞳を見据えたまま、疑問をぶつける。


「何人も殺めたことを、後悔してないの?」


「だから、後悔する理由がねぇんだよ」


「本当に?」


「―――しつけぇな!!」


大声と共に、イズラは勢いよく立ち上がった。


息を弾ませ、苦しそうに唇を噛みしめている。


「…ふざけんな。後悔なんか…してたまるか」


イズラは素早く扉の前まで歩くと、私たちを振り返った。


「俺は後悔なんかしねぇ。お前らを売ることにも…な」


バタンと閉まった扉を、私は虚しく見つめた。


「…ララ?どうしたのよ、いきなり」


「うん。本当に、知りたかっただけだよ」


ニーナの問いに、私は弱々しく微笑んだ。


イズラは後悔してないって言ってたけど…あんなの、嘘だ。


苦しそうな表情を見ればわかる。



"ラー"も…一人の人間。





闇は、すぐそこまで迫って来ていた。