おずおずと訊ねる私を見て、ニーナは一瞬固まると、すぐに噴き出す。
「あんた面白いわね！」
「ちょっ…ニーナッ！」
お腹を抱えて笑うニーナに、私は頬を膨らませる。
ニーナは涙を拭ったあと、自分を落ち着かせるようにため息をついた。
「…嫌いになれたら、よかったのに」
…え？
私は驚きに目を見張った。
「それって…ニーナ…」
ニーナは視線を落とし、少し間をあけてから、私にその視線を移す。
「…あたし、レキが好きなの」
はは、と笑ったニーナは、今にも泣き出してしまいそうな気がした。
嬉しいはずなのに、言葉が喉の奥につかえて出てこない。
「…レキには…」
やっとの思いでそう言うと、ニーナは首を横に振った。
「言うわけないじゃない。言うつもりは、ないの」
その瞳からは、ニーナの力強い意志が感じられた。
でも―――…
