紺碧の地図


意気込んだ私とは対照的に、ニーナの表情が曇っていった。


私は首を傾げ、訊いちゃいけないかなと思いつつも、口を開いた。


「…どうしたの?ニーナ」


ニーナは苦笑いを浮かべてから、天井を見上げた。


「ララ…あたしとレキって、仲悪いと思う?」


「へ?」


突然の問いに、私はマヌケな返事を返す。


ニーナと…レキ?


「悪いとは…思わない、けど」


確かに、言い合いはしょっちゅうだし…犬猿の仲って感じだけど。


お互いは、相手を嫌ってないと思うし…。



うーん、と唸る私に、ニーナはちらりと視線を向けると、笑い声を漏らした。


「あはは、よかった」


「?」


「ララに気づかれてないなら、あいつにも気づかれてるわけないわよね」


そう言ったニーナの顔は、笑っていたのに悲しそうだった。


私が…気づいていないってことは。


「もしかして…レキのこと嫌いなの?」