全員のロープを解き終えたあと、俺たちはリビングに集まった。


部屋を取り巻く空気は最悪で、ほぼ全員が下を向き、ため息をこぼす始末。


「だ―――っ、お前ら!しけた面してんな!!」


ついに耐えきれなくなった俺は、部屋の中央にある机をバン、と叩く。


その音に反応し、次々に顔が上がる。


そこを見計らい、俺は一気に捲し立てる。


「いいか!? ゼンたちが連れてかれたのは、誰のせいでもねぇんだよ!過ぎたことをぐだぐだ悩んだって仕方ねぇだろ!?」


そう、大事なのは、これからなんだ。


「悩んでる暇あんなら、どうやったらゼンたちを救えるか考えろっ!!」


再び、静まり返る室内。


ただ、さっきよりは確実に生気が戻ってきていた。



…よくも悪くも、こいつらは単純。


俺が言えることじゃないかもしれないけど。


「…レキ」


一歩前に出たのは、リジェ。