紺碧の地図


―――でもね。


「ゼンは、悪くないよ」


ララが、しっかりした口調でゼンに言った。


「…私が間違ってないなら、ゼンも間違ってなんかない」


「………」


でもね、こうやって救い上げてくれる仲間が、ゼンにはいるの。


レキだったり、あたしだったり…ララだったり。



だから、ゼンは今まで壊れずに、持ちこたえてこれたんじゃないかって、あたしは思う。


その逆も、もちろんあるから、あたしも今ここにいれる。


「…そうよ、ララ、ゼン!誰も間違ってないわ」


落ち込む二人を励ますように、あたしは明るい声を出す。


「悪いのは、こうなった今日の運命よ。だったら、抗うしかないじゃない?」


ね?と問いかけるあたしに、ゼンが苦笑する。


「…敵わないな、ニーナには」


「うん、ニーナってすごい」


ゼンに続いて、ララもくすくすと笑う。


薄暗い部屋に、やっと光が灯った。