…ララは、凄いわよ。
誰よりも真っ先に、相手の前に飛び出した。
ゼンが…止める暇もないくらい。
ララは、優しいから。
きっと、自分が犠牲になれば大丈夫、とか考えてたんでしょ?
…けど、全然大丈夫じゃないわよ。
あんたはもう、Queen号の一員なんだから。
一人でも欠けちゃ、意味ないのよ。
だから、あたしも一緒に捕まったの。
この子を一人にしちゃダメだって、そう思ったから。
「………」
あたしがそんなことを考えてる間も、沈黙が破れることはなかった。
ゼンは相変わらずの表情で、何かを考えるように一点を見つめている。
ララは固い表情で、時々ゼンに視線を向けては、またすぐにうつむいていた。
そんなララを見て、もしかして、と思ったあたしは、重苦しい沈黙を破った。
「…ララ」
「へっ!?」
あたしの声に驚いたのか、ララはびくっと肩を震わせた。


