「………っ、」
「ほーら、図星だ。ってことは、ここで待ってれば女が帰ってくるってことだ」
…よく、わからないけど。
彼らは、"女"を捜してる?
思い出すのは、売られていった…私の仲間。
お姉ちゃんのような存在だったのに、成人した人魚は、みんなどこかへ売られてしまった。
今、私が見つかって。
人魚ってバレたら…どうなるの?
急に怖くなって、震える私の背中に、そっと手を添えてくれたのは…ゼン。
"大丈夫"
ゼンの表情が、そう言っていた。
その表情を見るだけで、何でだろう、すごく安心するの。
「…どうする?」
小声でそう呟いたのは、レキ。
この位置からじゃ、リジェたちがどうなっているのかも、相手が何人いるのかもわからない。
下手に出ていったら、相手を刺激しかねないんだ。
「………」
ゼンが苦しそうな表情を浮かべ、うつむいた。


