ロシュを優しく包むようなその手のひらが、その瞳が。
…その証。
ロシュの"逢いたい"と、レイル姫の"逢いたい"の意味は、きっと同じ。
二人が想い合っていたからこそ…"逢いたい"が現実になったんだ。
―――羨ましい。
胸の奧が…ちくんと痛んだ。
「レイル姫、俺は…あなたの傍にいたいんです」
真剣なロシュを見て、レイル姫はふわりと笑う。
「私も、ロシュさんの傍にいたいです」
二人の握った手と手が離れることは、きっとない。
良かった。
本当に―――…
「さんきゅ、ララ」
急にロシュにお礼を言われ、私は何も言えずにロシュを見た。
「やっぱり、ララがいてくれて良かったよ」
「…ロシュ、レイル姫の前でそんなこと言っちゃダメだよ」
あはは、と笑う私に、ロシュも笑い返してくれた。
お礼を言いたいのは、私の方。
ロシュを見て…私も頑張ろうって思えたから。


