茶色の瞳にじっと見つめられ、どきっとした。


ゼンの瞳は…


何でも見透かしてしまうような、不思議な力を宿してる気がする。


「………」


何か言われると思ったのに、ゼンは何も言わずに、また足を進めた。


ハッとした私は、慌てて後を追いかけた。



それっきり、ゼンは一度も口を開かず、黙々と歩き続けた。


私も話しかけたらいけないような気がして、黙って後をついていった。



数十分経った頃、船着き場に到着した私は、思わず感嘆の声を上げた。


「わぁ………!!」


とても大きな海賊船だった。


船の帆には、海賊の証のドクロと、"ルナ"の証の三日月のマークが描かれている。



私が船に見とれている間、ゼンは船のすぐ近くまで行ってしまっていた。