ぱぁっと目を輝かせる私を見て、レキは頷いた。


「それにララちゃんがキスのひとつでもしてくれたら、俺もっと頑張…」


目の前にいたはずのレキが、数メートル先の壁にぶつかった。


「ニ、ニーナ…?」


すさまじい怒気を放ち、ニーナがレキをぎろりと睨んだ。


「…あんたは…また…性懲りもなくっ…」


「ニーナッ!私は大丈夫だから!ねっ?」


今にでも殴りかかりにいきそうなニーナを何とか押さえつけると、呆然としているロシュが目に入った。


「ロシュ?」


「…ララ…俺…」


ロシュの複雑そうな表情を見て、私は笑った。


「大丈夫!きっと逢えるよ…ううん、逢おう!」


ロシュは一瞬躊躇ったあと、すぐに笑って頷いた。


「…ああ!」


心配しないで、ロシュ。


私が逢わせてあげるから。





…辛い思いをするのは、私だけで充分だから。