「だってそうでもしなきゃ、ロシュがレイル姫に逢えないんだよ?」


「いや、うん。まぁそうなんだけど…」


レキの視線が、ゼンへと向かう。


その視線が、私が困ったときにゼンに助けを求める視線にそっくりだった。


「…いいんじゃない?」


ゼンはそう答えて、やっぱりため息をついた。


そうやっていつも、呆れながらも…ちゃんと人の意見を聞き入れてくれるんだね。


「いい…のかぁ?見つかったら、ただじゃ済まねぇぞ?」


「見つからなきゃいいって話でしょ!腹くくんなさい、レキ」


ニーナがみんなのカップを片付けながら、納得していないレキにそう言った。


私はレキに向かい直り、レキの手を掴んだ。


「お願い、レキ!」


「ララちゃん…」


レキは目を細めると、私の手を握り返した。


「ララちゃんがそこまで言うなら、協力するよ」


「本当!?」