ゼンの言葉に、ロシュは「えっ?」と声を上げ、期待の眼差しを向けた。
「…俺たちは"ルナ"だ。物資を届けに来たと言えば、入れる可能性はある」
ナルホドー、とレキが相槌を打つ。
「けど…、また審査があるかもしれないわ」
ニーナが心配そうに、眉を下げて言った。
「一国の姫と面会だもの。きっと厳しいわよ?」
みんなが一斉に黙り込む。
時計の針が刻む小さな音だけが、室内に響いた。
「…じゃあ、さ」
私がおずおずと口を開くと、みんなの視線が向けられた。
ロシュが男だと知られずに、城に入り込む方法…。
「忍び込む、のは?」
しん、と再び静まり返る室内。
不意に、レキが立ち上がり、私のおでこに手のひらをあてた。
「…熱とか、ないよな?」
「え?ないよ」
「いやだって、ララちゃんがそんな物騒なこと言うなんて…」
レキの疑いの眼差しに、私は頬を膨らませた。


