一挙一動が、ゆっくりと流れていくように感じた。



呆然と立ち尽くす子供。


そんな子供の腕を引っ張り、抱きかかえるようにして覆い被さるララ。


すぐそこまで迫ってきている、炎に包まれた大きな木片。



―――やめろ。



こんなとき、いつも思う。


もう誰も、俺の目の前から、消えていなくならないでくれ、と。



それと同時に。


護りきれない自分の弱さを、強く、強く噛みしめるんだ。



いつも…いつもそうだ。



真っ赤な花が宙を舞い、そして―――堕ちる。



俺の大切なものは、そうして儚く散っていくんだ。



―――嫌だ。


頼むから。





もう誰も、消えていなくならないでくれ。