「…彼女には…?」 急にトーンを落として尋ねる紺野の声は、未だ彼女が俺を思い出していないこの状況を明らかに気遣っているもので。 俺は小さくウンとうなづいて、それからわざと明るく言葉をつないだ。 「あいつ、寝てたわ。本当タイミング悪いな、俺…でもちゃんとけりはつけてきたから」 そんな俺の半分の嘘を紺野は黙って聞いてくれてた。 なんか言えよ、紺野……。 「紺野、時間だぞ。行こう!」 そして進むんだよ、俺の道を。