俺がアメリカに出発する日が決まったのはそれから間もなくしてのこと。


陽菜の記憶の中に俺がよみがえることはなかった。



陽菜の体の負担、ということを考えて、


俺はなるべく病室に行かないようにしていた。


その代わり、毎日舞からメールをもらう。





陽菜の食事がおかゆからご飯になった、ってこと。


左手を骨折してることにやっと気づいて、ショックを受けていること。


でも、仲良くなった看護師さんとよく話をするようになったこと。


自分がなぜこういう状態になったのか気になっている様子だということ。



けど、周りに気を遣ってあまり聞こうとはしないこと。


カズマのお母さんの体調を気にしていること。


そして・・・時々は笑うようになったこと。


時々降る雪に喜んでいること・・・。