―入学式の朝。 少し堅いイメージを持たせる、着慣れないブレザー。 私、澤田 苺(サワダ イチゴ)は、ここらでは少しばかり有名な、"西林高校"という高校に入学した。 中学の時は、セーラーだったから、ブレザーで浮かれる自分を落ち着かせるのに、かなり時間がかかった。 『メイク、メイク♪』 ご機嫌に、スクバからポーチを探す私とは裏腹に、母は朝からバタバタしていた。 「苺! メイクなんて、まだ早いわよ! 」