「あんたは、どこから来たんかいなぁ?」


「ずっと、この村にいました。」


「ふむふむ。んならば、あんたは何が好きなんかいねぇ?」


私は、しばらく考えた。

何を好きかなんて、そんなこと、久しぶりにきかれた。


「…。水…や、川が好きかもしれないです…。」


すると、老婆は目を細めて、笑顔をつくった。


「そうかい、そうかい。じゃあ、そうさなぁ…。リウ゛…。リウ゛・アリオーソでどうかね?」


「リウ゛…?」


「そう、リウ゛・アリオーソだよ。どうだい?」


「さっすが、ばばぁ!いい名前じゃん!……で?どんな意味なんだ?」