「やっぱ無理!!思い浮かばねぇよ。」


「別に、今更 名前などいらない。どうせ誰も呼んではくれない…。」


しかし、少年はおかまいなしだった。


「そうだ!ばばぁんとこ行きゃいいんだ!ばばぁに、名前つけてもらおうぜ!」


少年は川から上がり、私に手招きをした。

私には、ついて行かない、という手もあった。

しかし、それをしてしまっては、始まりそうな物語が、終わってしまいそうな気がして、私は少年の後について行くことにした。