「歌うように流れる川…。陽気に跳ねる川の流れ。そんな意味さ。綺麗な名だろう?」


「リウ゛・アリオーソ…。歌うように流れる川…。」


「そう。楽しげに歌うんだよ。」


「…ありがとうございます。とても素晴らしい名だ。」


「そうかい。気に入ってくれたようで、嬉しいよ。リウ゛。」


「よかったなー、リウ゛♪」


名前を呼ばれるのなど、何百年ぶりだろうか。

呼び掛けられるその感覚は、どこか懐かしくもあり、新鮮でもあった。

自然に頬の筋肉がゆるむ。


「リウ゛!」


少年が、再び私の名を呼んだ。


「なんですか?」


少年は、その問いには応えず、にかっと笑い、またもや、付けてもらったばかりの私の名を呼んだ。


「リウ゛♪」


「はい?なんでしょう?」