ブレザーの裾をつかみ、じっと校門で敦志を待つこと・・・


1時間。



高校行ってないしよく解んないけど、『帰りの挨拶』とやらに1時間もかかるものなのか。

・・・かかんねぇだろ。

どう考えたってそれはないだろ。30分もあれば終わるもんだろ。



しかもこの寒い中!
ブレザーはあるものの!
敦志が着てた分の温もりなんてとっくに消え去ってるし!



1時間って、どういう事だ。


というわけで、あたしはご立腹中なわけ。
でも大人なあたしはそれを顔に出さないように心がけながら・・・いや多分出てるけど・・・聞いてやった。

「何かあった?」

「美香ちゃん怖い・・・」

章大の呟きが聞こえて、条件反射でそっちを睨む。

ふざけて『きゃー!』とか言ってる章大とアキラを放って、敦志は困ったかおをする。