<続>ゆきんこ


敦志もどうやら校舎を描くらしい。

一部を除いて、全員が校舎を真ん前から睨みつけている。

その、一部は寝そべって寝ている。

ここ、思いきり地面なんですけど…。

「…美香、立ってないでここ座んな」

敦志が自分の隣をパンパンと叩いている。

「…うん」

その行動に自然と顔が綻んだ。

敦志は、携帯を右手、スケッチブックを膝、シャーペンを左手に持って校舎を睨んでいる。

全員絵とか得意そうじゃないな…。

三人と、たまに居眠り真っ最中の一人をちらちら見ていると、隣で敦志が携帯をカチカチやりだした。

……何してんだろ。